「こころ」の科学的解明は21世紀の人類に残されたfinal frontierである。 新潟大学脳研究所・統合脳機能研究センターは、検証可能な仮説に基づいた達成可能なプロジェクトの段階的推進により、こころの科学的解明を着実に実現することを目的として、文部科学省中核的研究拠点(COE)形成プログラムにより確立された研究組織である。 最先端非侵襲性技術を駆使して、ヒトを直接対象とした解析の実践からヒトに特有の脳機能(例えば、言語機能、抽象的思考過程、など)の詳細解明を行う、脳機能解析学、臨床機能脳神経学、および生体磁気共鳴学の三分野よりなる組織である。
教授
五十嵐 博中
ヒト特有の高次脳機能の解明には、ヒトそのものを対象とした検索は必須である。 言語機能の解明、抽象観念機能の解明などはその良い例である。 本分野は技術革新に伴って登場した多くの非侵襲性検索法を駆使して、ヒト脳機能の解明を統合的に行うことを目的とした分野である。 脳神経科学、画像学、行動心理学等を広く統合した研究・教育を担当する。
ヒト脳機能解明の最終目的がヒト脳障害の機能回復法の解明にあることに、議論の余地はない。 本分野はヒトを直接対象とした検索が必須であるヒト脳機能解析学のうち、障害脳を対象とした研究・教育を受け持つ臨床分野である。 脳神経外科、神経内科を中心とした既存の臨床分野と連帯して、脳機能障害と脳機能再構築を対象とした教育・研究を担当する。
量子理論の身近な応用である磁気共鳴は、多彩な脳機能検索法を提供する応用性の高い学問として名高い。 非侵襲性検索法の技術開発は脳機能解析にとって不可欠な存在であり、また、医学と物理工学との融合は、ヒト脳機能解明への適切なアプローチを提供する。 本分野は数理工学の最先端知識を駆使して、ヒト脳機能の詳細解明を図る分野である。 磁気共鳴の研究、教育に加え、シミュレーションを中心としたヒト脳機能の非線形数理解析の研究、教育を担当する。